« 羽生くん、おめでとう! 羽生さん、残念 藤井くん、おめでとう! | Main | ドビュッシー/アンセルメ編 「6つの古代の墓碑銘」 »

February 22, 2018

恩田 陸 「蜜蜂と遠雷」

日本の地方都市で開催される国際ピアノコンクールへの参加者(コンテスタント)や審査員に焦点を当てた作品。第156回直木賞受賞作。
養蜂家の父について各地を回るためピアノを持たない15歳の少年、将来を嘱望されていながら中学生の時のスキャンダルでピアニストへの道を絶たれた女性、1度はピアニストの道をあきらめ楽器店勤めをしていたが最後のチャンスにかける妻子持ちの男性、そして誰もが認める才能あふれる青年。彼らはそれぞれの希望や不安を抱えながらも互いに交流して話を聞き演奏を聴くうちに音楽に対する真実の愛情が芽生え新たな自分の人生をみつけるのだった。
第一予選から第三次予選を過ぎ本選へと話が進む中で数多くのピアノ曲が演奏されるが、作者はそれぞれの曲について演奏者の立場から見事な分析を行うのであたかも自分がコンクールの会場にいるような錯覚さえ覚える。これは筆力もさることながらクラシック音楽への深い造詣と愛情を備えていることの証であろう。個人的にピアノ曲はあまり好まないのだがこの本を読んでからもっと聴いてみようという気持ちになった。クラシック音楽の魅力を最大限書き尽くしたある意味異色の作品だが、クラシック音楽を聴かない人には男女の愛情シーンもなくピアノ演奏の描写が大半を占めるこの作品は退屈な物語としか思えないかもしれない。

 
 


石川県工芸展にて。
 
Img_2606l


|

« 羽生くん、おめでとう! 羽生さん、残念 藤井くん、おめでとう! | Main | ドビュッシー/アンセルメ編 「6つの古代の墓碑銘」 »

小説」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 羽生くん、おめでとう! 羽生さん、残念 藤井くん、おめでとう! | Main | ドビュッシー/アンセルメ編 「6つの古代の墓碑銘」 »