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April 29, 2017

映画 「くちびるに歌を」

動画配信で見た映画。2015年に公開されている。
原作は中田永一の小説。長崎県の五島列島の島の中学校の合唱部が、アンジェラ・アキ「手紙~十五の君へ」の歌でNHK合唱コンクールの県大会へ参加するまでを描いたもの。
合唱部の顧問の先生が産休に入るため、東京でプロのピアニストとして活躍していた中学時代の友人が臨時教員として島にやってくる。美人の先生にあこがれて女生徒ばかりだった合唱部に男子の入部希望者が殺到し真面目な女子生徒と対立状態になるが先生はあっさりと混声で行くことを決める。しかし彼女はピアノは絶対に弾かないと宣言する。彼女にはピアニストを続けられなくなったつらい過去があったのだ。
部員には母親が死に父親が女を作って家を出た女生徒や毎日自閉症の兄の面倒を見ることが自分の生きる証なのだという男子生徒もいる。彼らは心の奥の痛みをこらえて合唱部で歌を歌うことで前に進もうという勇気を得ているのだった。彼女はそういう女生徒の懇請を聞くうち自分の甘えに気づき島に来て初めてピアノを弾く。そして本格的に合唱部の指導に取り組む。
決してサクセスストーリーではなく、共に歌うことで人生を前に進む、ということがこの映画のテーマなのだがコバルトブルーの海に囲まれた島での生活や小さな教会が島民の心の支えになっていることなど小説よりも映画のほうがわかりやすい。父親のことでからかわれた女生徒が先生の前でピアノの「ド」の鍵盤を押し、船の出航の汽笛は「ド」で2度鳴らせば出航の合図つまり前に進むということなのだと言うシーンが印象的だ。
ボロボロのトラックに乗るクールな先生役の新垣結衣もいいが家庭や家族の事情を抱えながら真剣に生きる生徒たちを演じる子役たちが生き生きとしてすてきだ。
小説を少しアレンジしているが納得のいくもの。
見てよかったといえる素晴らしい映画だ。
 
 
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