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August 20, 2015

長岡 弘樹 『迷走』

2011年9月 株式会社双葉社発行
『傍聞き』という短編集に収められていたもの。
腹部を刺さされた男を収容した救急車は応急手当てをした後、受け入れ先が決まらないまま病院の指示を待っていたが、被害者が指定した懇意らしい医者と連絡を取っている間突然相手の声が途絶えてしまう。隊長の判断で決めた病院に走り始めるとやがて受け入れOKの連絡が来る。しかし、病院に着いても隊長はなぜかサイレンを鳴らしたまま病院の駐車場や周辺を走らせる。
刺された被害者は検察官であったが、隊長の娘が1年前に交通事故で重傷を負った事件でなぜか加害者を起訴しなかった。娘への恨みのために救急車を迷走させているのだろうか。

50ページほどの物語だがグイグイと引き込まれる筆力と最後に明かされる隊長の不可解な指示の意味にアッと驚かされる。読み応えのある短編だ。
 
 
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小説」カテゴリの記事

Comments

HABABIさん
私は最後まで全然分からずに読んでいました。
2番目のお話し「傍聞き」もまずまずだと思います。
カイルベルトもそうですがハンブルクのオケもあまり聴かなくなりましたね。率直ないい演奏だと想像できます。

Posted by: よし | August 22, 2015 at 03:06 PM

よし様、こんにちは

昼に図書館に行き、昨日予約した「傍聞き(かたえぎき)」を借りて来て、快適なテンポで「迷走」を読みました(全身真っ白の犬)。但し、「もう一人、別の患者を発見した。・・・」のところで、オチに気づきましたけど。

読んでいる途中で、カイルベルト指揮ハンブルク国立フィルハーモニーの演奏によるベートーヴェンの「田園」を聴いていました。カンナをかけただけの木肌を見る様な余計なものを感じさせない響きが、頭に疲れを覚えさせないようにしてくれたので、一気に読めました(やはり途中で飲んだコーヒーも美味しかった)。

また、オモシロイお話を教えて頂ければ有り難いです。

Posted by: HABABI | August 22, 2015 at 02:43 PM

HABABIさん
「迷走」はよくできた短編でお勧めします。

こちらの図書館では「火花」の在庫30冊に対し1000人以上が待機状態です。待ちきれないので芥川賞受賞作が2つとも載っている雑誌を予約しました。
「第2図書係補佐」は読んだ本の紹介ですが、その本を読みたいなと思わせる筆致が巧みです。大阪弁が身近だとあの人らしい柔らかいニュアンスが分かるのですが。
私も1日に100ページ以上読むのは疲れますね。
ボチボチいきましょう。

Posted by: よし | August 21, 2015 at 05:30 PM

こんにちは

いつも面白そうな本を紹介して頂き、ありがとうございます。
よしさんは本がお好きで、読む速度も速そうで羨ましいです!

私は、仕事等で調べものをしている時はそこそこに速いのですが、小説の類をきちんと読むのが遅く、また、読んで暫くすると、すごく眠くなるか、或は疲れて来ます。それで、1冊読み終わるのに大抵1週間以上掛かってしまいます。一方、読んだ中身の詳細を忘れるのには1週間掛かりません(-_-;)

近くの図書館に、現在次のような予約を入れています。
 火花:108人待ち
 第2図書係補佐:1人待ち(この1人と言うのは、多分、私のこと)
読む予定の本が既に手許に沢山あるので、「火花」を読むまでの時間、それらを読む予定です。
 

Posted by: HABABI | August 21, 2015 at 03:42 PM

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