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July 30, 2015

又吉直樹 『第2図書係補佐』

平成24年3月15日 株式会社幻冬舎 発行
芥川賞をとった又吉直樹の『火花』を借りようと図書館のサイトを見たら18冊の在庫に対して予約数が1000以上もあったのであきらめて『第2図書館補佐』という本を借りた。50冊近い本を読んだ感想が各章の最後に書かれているけれどその前にその本に関連した自分の体験が書かれている。
その中に駅のホームで電車を待っていると後ろに長い列が出来たが改めて足元を見ると電車の扉が開く位置から大きくズレている。いまさら後ろの人たちに「間違えました」と謝るのは恥ずかしいのでストレッチをするふりをしながら徐々に正しい位置に移動したという話があり、いかにもこの人らしい話でちょっと笑えた。

慢性腰痛の治療のため時々行くクリニックではカーテンで仕切ったベッドで理学治療を受けるが診療室の片隅なのでちょっと窮屈な場所がある。あるとき若いスタッフさんにその話をしたら次に行ったときは10センチほど広くなっていた。
「カーテンの向こうのソファを分からないように毎日ちょっとずつ向こうに動かしたのよ」と得意顔。バス停を毎日10センチずつ動かして家の前まで持ってきた、という漫才あったよねと二人で大笑い。

さて、この本で一番驚いた話は26歳の時に見てもらった占い師のことで、彼の手相を見て長男だとか本が好きだとかズバズバ当てたうえ、この手相は偉人とか犯罪者に多い、と言われる。
弱気になった彼に、大丈夫とてもいい手相だと言って歳を訊き、手を見ながら「26、27・・・34、35あっ!」と35まで数えて彼の手を放した。
友人と帰る途中、35歳で何があるのだろうと不安になるが死ぬのだろうかという思いだけは必死で振り払った。
そう、1980年生まれの彼は今年の6月で35歳になった。
この本の初版は4年まえなので芥川賞を取ることなど夢にも思わなかっただろうし、この話を書いていること自体がちょっと驚きだ。
ちなみにその章で紹介する本が玄侑宗久の『中陰の花』。自らの死を予言する女性の出てくる話で第125回の芥川賞を受賞している。

 
 
チビちゃんにシャボン玉を吹いてあげるお母さん。
霧のように見えるのは暑さ除けのミスト。
 
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