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June 23, 2015

坂井 希久子 著 『ヒーロー インタビュー』

2013年11月8日 株式会社 角川春樹事務所 発行
阪神タイガースに入団し、10年間のほとんどを二軍で暮らした男が主人公。
彼が活躍することを信じているのは、尼崎のさびれた商店街の片隅で理容師をしているわけありの女性、彼の素質を見抜いてスカウトした男、高校の野球部の仲間とその家族、同じ球団にドラフト1位で入団した若いピッチャーなどがいる。
野球の素質は抜群なのに運がないのと肝心な時に力を出せない男は、理容師の女性に好意を告白するが夫がいると言われ、そのあとの試合ではそれまでの好調さが嘘のように力が出せない。
女性は暴力をふるう夫から逃げてここに隠れるように住んでいたのだ。

その他、タイガースの取谷、金谷、絵山などの選手、ドラゴンズの岩背、最年長投手の山村昌司などの登場人物に思わずにやりとする仕掛けも楽しい。
女性が1年前に離婚されていたことを知った男は終盤の優勝争いの中で超特大のホームランを打ったのを最後に引退し彼女と共に新しい人生を歩き出す。
話の中心は理容師の女性と男の恋と野球のからみだが、彼らを取り巻く登場人物たちの語りで進めながらクライマックスに持っていくという仕掛けがうまい。

大阪弁満載の小説なので虎ファンや大阪圏以外の人にはとっつきが悪いかもしれないが物語としてはとても楽しめるもの。

 
 
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