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May 19, 2015

「最強の相棒」第2回

久保とは代理店時代に1年ほど付き合ったが、お互い忙しくて1ヶ月に1度くらい顔を合わせて食事するのがやっとという状態だったので、結局友達以上には発展しないまま終わった
飲みながら綾の話を聞いていた久保は「実はオレもな」としゃべりだした。
彼は映像制作会社に入って主にテレビ関係の仕事をしていたが、不規則な生活が続き身体を壊してしまったので6年で辞め、結婚式とかイベント関連を手掛ける製作会社に転職したという。しかし、辞めた理由のひとつには傲慢な人間の多いテレビ関連のクライアントとの摩擦もあったらしい。

「まあ、いろいろあったけど、再会を祝して乾杯しよか」
神戸出身の久保は、どこかとぼけたところがあるので一緒に居て楽しいけれど、綾としゃべるときはなぜか関西弁になる。関西弁は苦手だが久しぶりに聞く彼の漫才みたいな話に笑いながら楽しく飲んだ。
次の休みにまた会う約束をして別れたが、写真の話ばかりする綾の話を理解して聞いてくれる彼は貴重な存在だ。
今度はちゃんと付き合おう、と綾は思った。

 それからしばらく経って綾は高校時代の友人の結婚式に招待された。
新郎が一流の商事会社に勤めていることもあって会場は有名なホテルで招待者の数も多く、結婚式を数多く見てきた綾も初めて体験するような豪華な式だった。
綾にしては精いっぱいのおしゃれをして出かけたが、会場に入った途端あまりの華やかさに圧倒されて『来なきゃよかった』と後悔した。

 それでも席に着き、新婦のウェディングドレス姿を見ると心底きれいだなと感動して涙がこぼれそうになった。高校時代陸上部にいた彼女は、サッカーをしていた綾と同じく真っ黒で走り回っていたのに目の前にいる彼女はシンデレラのようで、まさしくジューンブライドとして輝いていた。
『私も結婚したい』長い間仕事に追われてきた綾は、心の底からそう思った。

 料理が運ばれてきて食事を始めたが、周りにいる新婦の友人たちはほとんどが大学時代の友人か会社の同僚なのだろう。見知らぬ顔ばかりだった。
しかし、スピーチが回ってきたときに綾がした、新婦との高校時代のユーモアたっぷりの話が大いに受け、会場の雰囲気も柔らかくなり隣りの女性とも話をするようになった。そしてお開きになった直後、その女性からこのあとニ次会に行きませんかと誘われたのだ。

 どうやら新郎の友人の一人が、せっかくの機会だから新郎側、新婦側の独身の友人だけでニ次会をしようと画策したらしい。独身女性が一人足りないということで綾も誘われたのだ。
二次会という名目の合コンというわけだが、華やかな結婚式を見た直後の年頃の独身女性に異論のあるはずがない。結局、男女各4名でホテルの近くにあるしゃれたレストランに行くことになった。

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