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December 2014

December 30, 2014

モーツァルト セレナード第7番 ニ長調 KV250 「ハフナー」

カール・ミュンヒンガーの指揮、ウィーン・フィルハーモニーの演奏、1960年の録音。廉価版なのでジャケット写真は省略。有名な4楽章ロンドのヴァイオリン・ソロは当時ウィーンフィルのコンサートマスターであったボスコフスキーでこれは貴重なものです。
年末は第九が恒例みたいなんですが、こういう『一つ覚え』が大嫌いなので何かいいのは無いかと考えていて思いついたのが祝典のためといっていいこの曲。ザルツブルクの大富豪であるハフナー家から結婚式の前夜祭用にと依頼されたものですが、8楽章で40数分という交響曲のような規模ですから謝礼もそれなりだったろうと余計なことを考えるのです(笑)。祝典用とは言うもののそこはモーツァルトのこと、3楽章のメヌエットを短調として曲の深みを出しています。手持ちは3種類ほどあるのですがやはりウィーンフィルのが聴きたくて一番古いこの盤を引っ張り出しました。
ちなみにあってもよさそうなカラヤンのが無いようです。
セレナードは苦手なのかも。
 
さて、これで年内のブログは最後にします。
皆さまどうかよいお年をお迎えくださいfuji


 
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December 28, 2014

芥川龍之介 「魔術」

大正8年に発表された短編を青空文庫で読むことが出来た。
幻想的ともいえる状況の中でこの作者の得意とする人間の内面の弱さを見事に描き出している傑作短編だと思う。

魔術の名人と言われる友人のインド人に教えを乞うが、教える条件のひとつが欲を捨てることにあると言われ、「教えてくれるのなら捨てられる」と言ったものの・・・

もちろん他にも素晴らしい名作が多いけれど、こういう短編を読むと龍之介という人はいまさらながらとびぬけた天才作家だと思う。

 
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December 26, 2014

アルビノーニ オーボエ協奏曲 ニ短調 op.9-2

大好きな曲のひとつで、私はオーボエではなくペトリのリコーダーでよく聴いています。
Youtubeで探したらリトアニアの首都ヴィリニュスで行われたライブの動画がありました。とても雰囲気のいい会場ですが出てきたソリストは11歳くらいの小学生です。
オーボエの音色や技量はまだまだにしても今でこれだけ演奏できるのですから将来が本当に楽しみですnote

温かい気持ちで聴いてくださいねheart04


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December 25, 2014

クリスマスのビール

カーテンを探しに車で30分ほどのインテリアショップに行った。
さすがに有名な店だけあってお値段以上のものをいくつか見つけることが出来たが、奥さんの部屋に使うので実際に買うときは彼女が選ぶことになっている。
今日は見るだけ。
カーテンを見た後はダイニング用品の売り場に行ってしゃれた食器を見ていたら、いくつか並べてあるビールグラスに目が行った。
何年か使っていたお気に入りのグラスを割ったので、似たようなので飲んでいるけれど泡の立ち方、残り方がもうひとつ気に入らない。
4個入りで適価(大阪では安いという意味)のものがあったが、4つも要らないなあと考えていたら目の前の外国人の男がカートにドサドサ入れていくではないか。
棚の在庫が無くなるかなと心配していたら結局6つ放り込んで終わり、そばで目を丸くして見ていた私に遠慮したのかグラス売場から離れて電話しだした。ロシア語だ。
最初は、ルーブル安になったので今のうちに買い占める気なのかと思っていたが、クリスマスのパーティ用なんだと分かった。
24人とは大勢だなとまた余計なことを考える。
私は、泡がきれいに残るタイプのジョッキを1個買ってレジに行った。
「もうすぐ、ロシア人が来るよ」と言ったら。
「いやぁ、ロシア語分かれへん。どないしょ」と店員さんが言うので「笑顔でダー、スパシーバ、言うてたらええねん」と無責任なことを言って店を出た。

さて、今日は新しいジョッキで美味しいビールを飲もうか。

みなさん、メリークリスマス!


 
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December 24, 2014

ヘンデル オラトリオ 「メサイア」

Baroque_60オーマンディの指揮フィラデルフィア管弦楽団、モルモンタバナクル合唱団の演奏。独唱はアイリーン・オージェ、マーサ・リプトン他。1959年頃の録音。年末のクラシック演奏会は第九一辺倒みたいなのでへそ曲がりの私は「メサイア」をチョイスしました。でもこの曲の方が”らしい”と思うのですがね。ただし、全曲ではなくハイライトなのが残念。全曲を欲しいけれどめったに聴かないので図書館に頼みました。オーマンディの演奏はいつものようにきちんとした真面目なもので優秀な合唱団と独唱陣できわめてスタンダードな演奏を聴かせてくれて個人的には文句なしです。note

PS:やっぱり全曲盤が欲しくなったのでいろいろ探してマリナーの指揮のCDを注文しましたが、カナダからの輸入盤なので1月になるみたい。
ちなみに図書館から借りるのはアーノンクール指の演奏です。

では、みなさま「メリークリスマス!」


 
クリスマスツリーのファイバーライトをわざとピント外しで写したらこんな感じになりました。露出もピントもマニュアルでのお遊びですhappy01
 
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December 22, 2014

マウリシオ・カーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」

最初テレビで見たのですがツィッターやyoutubeで話題になっているのがこの曲。作曲者はアルゼンチン生まれでドイツで活躍した方です。
youtubeでは最後の部分しか見られませんがまあ十分でしょう(笑)

確かドイツでの演奏会でティンパニストは渡邊理恵さんという日本人ですが、最後に頭を突っ込んだケトルは皮を外し、代わりに紙を貼ったものです。
もちろんこれはアドリブではなく楽譜にもイラストで指示されています。

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December 20, 2014

「夢」 第7回 

 孝は、目の前の彼女をじっと見た。
化粧気も無く、透明感のある顔立ちと真剣に彼を見つめる澄んだ目を見たとき、吸い込まれそうな不思議な感覚を覚えた。
「財布を拾っていただいたのは確か6年前でしたね」彼女を見つめながら言った。
「ええ、でもその前にもあなたとお会いしているんですよ」
「11年前、まだ小学生だったとき、男の子たちにいじめられていたのをあなたが助けてくれたんです」
11年前というと、彼は高校2年生だった。
「そうか、あの時の女の子だ」思い出した。いじめっ子を怒鳴って追い払ったことがあった。
「でも、そのあと、この近くに引っ越してきたのです」
「わたし、あなたが公園に来る夢をよく見るんです。だからここに来れば会えると思っていました」
「6年前に公園で会ったときは本当にびっくりしました。とてもうれしかったけれど、あなたは財布に気を取られて私を思い出さなかった」
彼女は語りながらすこしだけうらめし気な顔をした。
「ごめんなさい、昨日も夢を見たんですか?」
「ええ、だから朝からベンチに座っていたんです」

朝から自分を待っていたという言葉が、彼の心に大きく響いた。
この人は6年間いやひょっとして11年も自分のことを待っていたのだろうか。
そのとき、久美子のお腹が小さく鳴った。『恥ずかしい・・・』顔が真っ赤になる。
彼は聞こえなかったふりをして「何か食べましょう。おなかが空きましたね」と言うと彼女の手を優しく取り、ゆっくり公園の外へと歩き出した。

 その年の12月、もうすぐクリスマスだという日曜日、レストランの奥まったテーブルに二人は座っていた。料理のコースもほぼ終わり、目の前に小さなケーキが置かれている。
孝は、ポケットから小さな箱を取り出して久美子の前に置いた。
「開けてみて」
彼に言われて蓋を開ける。
エンゲージリングだった。
「ずっと、僕のそばにいてほしい」久美子を見つめる孝の目は真剣だった。
はい、と言おうとしたが、涙がこみあげてきて声にならない。
久美子は、返事の代わりにリングを指にはめると最高の笑顔で彼に見せた。
そして心の中でそっとつぶやいた。
『神さま、夢がかないました、ありがとうございます』


< 夢 > 完

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December 19, 2014

「夢」 第6回

 あやうく命を落とすところだった彼は、しばらくの間女とは付き合うまいと固く決心してひたすら仕事に打ち込んだ。3年が過ぎ、真面目な仕事ぶりと業績が認められた彼は係長になった。一流大学を出たとはいえ世間に名の知れた大企業では異例の昇進といってよかった。

 仕事も一段落して、日曜日の午後久しぶりに街に出てみた。3月に入り、春を迎えた街を歩く人々の足取りも心なしか軽く見える。
しかし、そんな中を一人で歩くのは、彼女のいない孤独な自分をあらためて実感するようなものだった。以前、財布を買ったデパートは、相変わらず華やかな飾り付けをして春のセールに懸命だ。

 ふと、ショーウィンドウに目をやった時、白いマフラーをした若い女性の姿が写った。
瞬間、何年か前の記憶がよみがえった。
『あの高校生だ」振り向いたが、そこには白い犬がいるだけだった。こちらをじっと見ている。彼が犬の方へ向かって行くと歩きだしたが、足を止めると後ろを振り返る。
まるで『付いておいで』と言っているようだった。

 犬の後を付いて歩いて行くとやがて公園に入ったが、いつのまにか犬の姿は消えていた。ベンチに誰かが座っている。白いマフラーをした女性だ。
彼がベンチの方に歩いて行くと彼女も立ち上がって近づいてくる。
左足をすこし引きずるように歩くのを見て、以前財布を拾ってくれた高校生だと思ったが、彼女はもう大人の女性になっていた。
「やっと、お会いできました」彼女が言った。

 久美子はこの3月に大学を卒業して4月からは社会人となる。帰りも遅くなり、今までのように夕方から公園で待っていることはできないだろう。もう会えないのかもしれない、と悩んでいたら昨夜いつもよりはっきりとした夢を見た。
彼が、ベンチにいる彼女のすぐそばまでやってきたのだ。
だから今日が最後のチャンスだと早くからベンチに座っていた。

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December 18, 2014

「夢」 第5回

 しかし、次の年の5月に開かれた大学の同窓会で新しい彼女を見つけた。
水泳部だったという大柄な彼女は、体育系らしく居酒屋でも喜んで付き合ってくれるので気楽に付き合えた。1週間の夏休みがとれたので一泊で海へ行こうということになった。
荷物を預けて着替え、海岸へ出ると普段オフィスの中にいると想像もできない夏の太陽がまぶしい。
「やっぱり、海はいいなあ」
海は好きだけど泳げない彼は、しばらく浜辺で遊んでからボートを借りると一緒に沖の方に出た。
「ボートは楽でいいわね」彼女もはしゃいでいる。

 しばらくボートを漕いでいると目の前の彼女の様子がおかしくなった。
「うしろ!うしろ!」彼の後ろを指さすと大声で叫びだした。
後ろを見ると大きな白い犬が座っていた。彼が振り返った途端とびかかってきた。
「うわっ!」彼はボートから海へ落ちた。
「助けてくれ!おぼれる!」
離れていくボートに何とか近づこうとするが、じたばたするほど沈みそうになる。
かなり水を飲んだあとで、誰かが身体を支えていることに気付いた。
彼女だった。

 彼を左手で支え、両足と右手で泳ぎながらボートまで来ると縁をつかんだ。
「はやくボートにつかまって!」
彼は必死でボートの縁をつかむと力を振り絞って乗り込み、そのまま中に倒れ込んだ。彼女は、あとから乗り込んでくると彼をうつ伏せにして背中を押し、水を吐かせた。
ボートにはもう犬の姿などどこにもなかった。
彼がしばらくして落ち着くと、今度は彼女がボートを漕いで浜に向かった。
結局その日は泊まらずに帰ることになったが、帰路はお互いほとんどしゃべらず、結局彼女とはそれっきりになった。

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December 17, 2014

「夢」 第4回

 しばらくすると彼も仕事が忙しくなり、デートどころではない毎日だったが、次の年の秋には合コンで相手を見つけた。3歳年上の彼女は、小柄で美人ではなかったが、やさしくて一緒に居るとホッとできるのだった。彼にも1歳上の姉がいたが、女子サッカー部にいた活発な性格はほとんどアニキ状態だったので、彼女こそ本当のやさしい姉のように思えた。
 ただ、かなりのやきもち焼きで、カフェなどで少しでも隣の女性を見ていると怖い顔をしてにらむのだ。だから、デートのときはできるだけ他の女性を見ないように気を付けていた。

 12月に入り、食事に行こうと並んで歩いていたら少し先に一人で立っていた小さな女の子に突然大きな白い犬が吠えかかった。
女の子が大声で泣き出したので、彼はすぐに駈け寄って足で犬を蹴りながら追い払ったが女の子は一向に泣き止まない。
「大丈夫だよ、もうこわくないからね」
彼がしゃがんでいくらなだめても女の子の声はますます大きくなる。
彼女は少し離れた場所でじっと見ているだけだった。
やがて、若い女性が駆けつけてきた。

「あなた、うちの子に何をしたんですか!」
「いや、犬が吠えて怖がったのでなだめているんですよ。ホントです」彼が必死で事情を説明すると、やっと納得した女性は今度は一転して愛想良くなった。
「まあ、そうでしたか、それはありがとうございます。いきなりひどいことを言ってごめんなさい」
「いや、いいんですよ」
笑顔になった女性は背が高く、女優かと思うほどの美人だった。

 女の子が泣きやみ、機嫌がよくなった彼女はよくしゃべった。
「この子は犬が好きでね、家にはマリちゃんという可愛いプードルがいるんですよ」
「いや、いくら好きでも大きな犬に吠えられたら大人でも怖いですからね」
「本当に勇気のある方で良かったわ」
女性の話は一向にとまる気配がなく10分以上もしゃべっただろうか、やっと解放されて周りを見渡したとき、そばにいるはずの彼女の姿はどこにもなかった。
しばらくして携帯に彼女からメールが入った『最低!!』
それで終わった。

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December 16, 2014

「夢」 第3回

 孝は、社会人になってからすぐに彼女ができた。
新入社員の研修が終わったあとの懇親会で知り合ったのだ。
彼女は、美しく聡明だったが、大学では準ミスにもなったというプライドのためか気位が高く少々扱いにくい面もある。
 ある日、彼女と有名なレストランで食事をすることになった。
待ち合わせてから彼女の好きなショップを巡ったりカフェでおしゃべりしたりして夕方まで楽しく時間を過ごしてからレストランに入った。
 彼女は、アクセサリーもあまり付けずシンプルな装いだったが、それがかえって美しさを引き立たせていた。二人で街を歩くと、男女を問わず彼らを振り返るのが心地よかった。

 店に入って予約した名前を告げると奥まったテーブルに案内された。
ウェーターが飲み物の注文に来たが、なぜかすぐに引き下がるとフロアマネージャーがやってきた。
「お客様、まことに恐れ入りますが、当店ではペットの同伴はご遠慮いただいております」
「えっ?ペットなんか連れていないよ」何を言うのかと思ってマネージャーの視線を追うと、テーブルの下に白い犬が寝そべっていた。
「きゃっ!」と彼女が叫んで立ち上がると、驚いた犬は次々とよそのテーブルの下に潜り込んで行く。
「うわ!」「きゃー!」とレストラン内は大騒ぎになった。
「僕の犬じゃないよ。知らない犬だ」と言ってもマネージャーの視線は冷たかった。

 結局、ウェーターたち何人かで犬は店の外へ追い出されたが、もうとても食事ができる雰囲気ではない。マネージャーの冷たい視線を後にすごすごと店を出た。
「別の店で食べようか」
店を出てから彼が言うと、彼女は冷めた顔でこう言って去っていた。
「こんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてです」
彼女とはそれっきりになった。

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December 15, 2014

「夢」 第2回

 クリスマスが近くなった街は、日が暮れて一層華やかな雰囲気に包まれていた。
孝は、さっき買ったばかりの財布を内ポケットから取り出すと改めて明るいショーウィンドウの下でじっくりと眺めた。いままでのボロ財布とは比べ物にならない。
来年は社会人になるのだから、新しい財布を買おうと決めていたのでデパートで思い切ってブランド品を買ったのだ。まだ新しい皮の香りがなんともいえず、思わず笑みがこぼれる。

 財布をポケットにしまおうとしたとき、手が滑って歩道に落としてしまった。慌ててかがみこんで拾おうとしたら横から白い犬が走ってきて財布をくわえて逃げた。
「待て!」孝は猛然と犬を追いかけた。
冗談じゃない、現金は少ないけれど免許証とか定期とか学生証とか大事なカード類が入っているのだ。200メートルほど先にある公園まで追いかけたが、その時には犬の姿は消えていた。しばらく公園の中を探したが犬も財布も見つからない。

「参ったなぁ。買ったばかりなのに」
警察に届けるしかないか、と考えていたらベンチに座っていた少女が立ち上がり、少し足を引きずるようにしてこちらの方にやってきた。白いマフラーをしている。

「探しているのはこの財布でしょうか?」少女は彼の財布を差し出した。
ほっそりとしているので少女かと思ったが、よく見ると高校生ぐらいだろうか。
透明感のある顔立ちをしている。澄んだ目が印象的だ。
「あっ、ありがとう。どこにありました?」
「ベンチの近くで見つけました。そのあとすぐにあなたが入ってきて何か探しているので、これかなと」

 とにかくホッとして財布を受け取った。犬の歯形もよだれも付いてなく中身もそのままだった。『よかった』安心して改めて彼女を見た。どこかで見た記憶があるが思い出せない。彼女はさっきから彼の顔をじっと見つめている。
「ありがとう、さよなら」あまり見つめられるので恥ずかしくなり、もう1度礼を言ってからその場を後にしたが、家に帰ってからも真剣に自分を見つめる彼女の顔が目に焼き付いて離れなかった。

『せっかく会えたのに』久美子は、彼が去っていくのをがっかりして見送ると、公園の後ろのほうにゆっくりと歩いて行った。
でも、ここに来ればきっとまた会えることを確信した彼女は、高校を卒業してからも夕方にはこの公園に来られるように近くの女子大に進学した。

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December 14, 2014

ブログ小説 「夢」 第1回

 後ろから来た自転車が久美子の左側を通り過ぎたと思ったら急に前をふさぐように右に曲がった。
『あぶない!』びっくりして立ち止まったのでもう少しで倒れそうだった。
すると、あとから来た自転車も同じように目の前を横切り、さっきの自転車と2台で久美子の周りをぐるぐるとまわりだした。彼女が走って逃げられないのを知っている男の子たちはうすら笑いを浮かべている。
『もう、やめて!』と思うけれど怖くて声に出せない。

「やめろ!」突然大きな声がして、駅の方から走ってきた大きなお兄さんに一人が捕まった。
「オレの妹に悪さしたら許さんぞ!」男の子を捕まえたお兄さんはものすごい剣幕で怒鳴ったから二人は必死で自転車をこいで逃げていく。
「大丈夫?」お兄さんはさっきとはうって変わった優しい声をかけると久美子の肩を抱いてくれた。そのとたん、我慢していた涙があふれるようにこぼれ落ちた。
「おうちまで送るよ」お兄さんは彼女の手を優しく取るとゆっくり歩き出した。
「僕の妹だと言っておいたから、もう大丈夫だよ」
駅からの道を左に入ると昔ながらの古い小さな家が立ち並んでいる。

 久美子は、小さい時に遭った交通事故のため左足が少し不自由でよく男の子にいじめられた。そういうときでも家に帰ってからも絶対泣かなかったけれど、この時初めて涙を流したのだ。送ってもらう途中、この強くて優しいお兄さんと一緒に居たらずっと守ってもらえるのだろうなと考えていた。

「ありがとうございます。もう帰れます」家の近くまで来たとき、お兄さんの顔をしっかりと見つめた。そして、彼の後姿を見送りながら小さな声で祈った。
「神さま、大きくなったら、あのお兄さんのお嫁さんにしてください」
ふと、誰かに聞かれた気がして周りを見たが誰もいない。急に恥ずかしくなって、家の中に入ろうとして後ろを見たら白い犬がこちらを見ていた。

その後、住んでいた家が再開発のため立ち退くことになり、久美子が小学6年生になる春休みに引っ越しをしたのでもうお兄さんには会えなくなってしまった。
新しい家は都心への通勤も便利なベッドタウンにあり、公園も多いが繁華街へも結構近くて便利だった。そして、彼女が家の近くの高校に入ってからときどき同じ夢を見るようになった。
夕方、近くの公園のベンチで座っているとあのお兄さんが現れるのだ。
夢を見た次の日の学校帰りには必ず公園に行くことにした。

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December 13, 2014

ブログ小説のお知らせ

明日からブログ小説を連載します。
昨年の12月から始めて第4作目になります。
 
 
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December 11, 2014

コーナーギャラリー 晩秋編

新しく写真を伸ばして我が家のコーナーギャラリーの一部を入替えました。
写真は晩秋編なんですが季節はもう初冬に入ってしまいました。
右側上段の真ん中は島根在住の写真愛好家の知人に頂いたものです。
データを送っていただいて、外注で大きくしました。
デジタル写真て便利ですね。
下段は紅葉シーズンの京都です。
 
クリック→大
 
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December 08, 2014

絶景パノラマ 「やや! あれは」

まずは知人が撮影したパノラマ写真をご覧ください。 
クリック→大
 
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これは軽自動車のCMで有名になった「ベタ踏み坂」の上から撮影したものです。この橋の正式名称は「江島大橋」といい、鳥取県境港市と島根県松江市の間に架かっていますが、船舶の航行に支障が無いように最高部は44.7 mという高さになっています。橋の勾配は島根県側は6.1 %、鳥取県側は5.1 %と、島根県側から登る方がきつく、地元に住む知人も同じ感想を述べられていました。
 
さて、次はパノラマ写真の左側を拡大したものです。
写っている山は大山ですが、頂上付近と山の左側に米子空港から飛び立った2機の飛行機が見えます。偶然写ったものですがこのカメラの解像度の素晴らしさと同時に2機の飛行機が写り込んだシャッターチャンスに驚きました。
クリックして大きくすればよく分かります。

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ちなみに、写された知人は写歴30年近いカメラ愛好者ですcamera


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December 06, 2014

ビゼー 「カルメン」組曲

Bernstein_37バーンスタイン、ニューヨークフィルの演奏、1967年の録音。順番の入れ替えはあるけれど第1、第2組曲が完全に収められている。いまさらカルメン組曲などと言うなかれ、実に楽しかったのです。とくに、湧き立つようなリズム感はカラヤンの重々しいものと違ってワクワクさせてくれます。また、ソロ楽器の見事さは間奏曲でのフルート、アルカラの竜騎兵のファゴットなどちょっとうっとりするほどです。闘牛士の歌でのトランペットソロもお見事note いくぶん豪壮なカルメンとはいえビゼーの音楽の素晴らしさを十分に堪能できました。

 
   カニサボテンが満開です。 薄いピンク色でとても上品。
   低い場所に置いたので写すのに苦労しました。
   ピントが甘いのでコントラストを下げて全体に淡い色調にしました。
   EOS-M 18-55mm

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December 04, 2014

音止めの滝

奥さんの富士観光写真の最後は「音止めの滝」

東名高速の富士ICから20キロほどにあります。
というか、奥さんはただ車に乗せられて、降りて歩いて写真を写しただけなので、詳しい様子が分かりませんsweat01

   「虹がきれいだったよheart04」だとか。
   まだ滝の名前が分からない私は「??」状態です(笑)
 
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   後で調べてこれは音止めの滝だと分かりました。

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December 02, 2014

ブリテン 「4つの海の間奏曲」 op.33a

Bernstein_38バーンスタイン、ニューヨークフィルの演奏、1973年の録音。このBOXではブリテンはこの1枚だけどなかなかいい演奏なのでもう少し聴きたかったな。オペラ「ピーター・グライムズ」の中から4曲を選んだ組曲だけどそれぞれ短いながら緊迫感があってすばらしい。バーンスタインにはこういう曲が向いていると見えて実にうまい。多分本命の(?)「青少年のための管弦楽入門は少年の語りは誇張が無く発音も明確なので英語のリスニングに最適。全部知っている楽器だもんね(笑)
ちなみに本来のCDのジャケット写真は1か月以上ひげを剃っていないと思われるひげもじゃのおっさん状態なので別のカッコいいのに取り換えました。


 
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