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October 2014

October 31, 2014

「静夜」 第7回

 しかし、すぐに美奈子は真弓の雰囲気が以前と違うことが分かった。
「マユミ、きれいになったね、何かあった?」
ちゃんと化粧をして、今日は珍しくスカートをはいている。彼女のすっきりとした装いは、女の美奈子が見てもすてきだと思うが、それ以上に表情が明るく輝いている。
真弓は軽く微笑んだだけだ。
「手話、どう?」美奈子は、それ以上追及するのをやめて話題を変えた。
『少し』手話で返事する。
「まあねぇ、相手がいないからねぇ」普段は畑に行くので誠治もそれほど覚えられないのだろう。そのうちに、真弓の様子が何となく落ち着かないのに気がついた。

 しばらくすると表でバイクの音がした。
真弓が玄関に行くと隼人が立っていた。さっきから雨が降り出したのでかなり濡れている。急いで自分の部屋に行き、タオルを持ってきて彼に渡す。今日は隼人と家でゆっくりしようと計画していたのだ。家に上がった隼人は、仏間へ行き、香典を誠治に渡して仏壇の前で丁寧に拝んだあと誠治とリビングに行った。

 若い男がリビングに入ってきたので、美奈子は驚いたが「小林です。真弓の友人です」と頭を下げた。彼も、見知らぬ女性がいるので一瞬戸惑ったが「初めまして、伊藤です」とあいさつをする。誰だろうという顔をする美奈子に、誠治が「畑仕事の知り合いですよ」と隼人を紹介した。
あいさつの後、帰ろうとした美奈子に「雨が降っているし、もう少しいいでしょう」誠治が引き止めたので、真弓も気持ちとは裏腹にうなずいてしまった。
とっさに「また、今度ね」と声を出せないのがつらい。

「じゃ、ちょっとだけ」やはり隼人が気になる美奈子は、ふたたび椅子に腰を下ろしたが、結局彼と話しこむ羽目になってしまった。さすがに二人のことは訊かなかったが、バイクの話、仕事の話、食べ物の話、最近のテレビドラマの話など、真弓と手話をかわすことを忘れて隼人とのおしゃべりがはずむ。しばらくして、二人は、席を外した真弓がいつまでたっても帰ってこないことに気付いた。

 しまった、真弓を置いてきぼりにして隼人とばかりしゃべっていた。
美奈子は、急いで真弓の部屋に行くと「いいかな?」と声をかけて部屋の戸を開けた。真弓はうつむいてソファに座っている。
「ごめん、もう帰るね」美奈子は、真弓の返事を待たずに戸を閉めた。
リビングに戻り、隼人に「調子に乗りすぎたみたい。ごめんなさい」と言うと車で帰っていった。彼がリビングの方に戻ろうとすると、真弓が部屋から出てきた。

「ごめん」バツが悪そうに謝る隼人の手に折りたたんだ紙切れを押し込むと、再び自分の部屋に入りピシャリと戸を閉めた。
紙を開くと、こう書いてあった。『もう、会わない』

 バイクの音がしたので、仏間にいた誠治がリビングに行ったが誰もいない。
そっと真弓の部屋の戸を開けるとソファで泣いていた。
隼人は家に帰るとすぐに真弓にメールをした。
『ごめん、真弓にさびしい思いをさせた、本当に悪かった』
何度メールをしても返事は来なかった。
翌日から真弓はふたたびジャージで過ごす日々に戻ってしまった。

 9月になってからも隼人が来ないので、誠治は家に行ってみたが彼はいなかった。出てきた母親に訊くと、以前のようにバイクで山の方に行っているらしい。隼人が来るようになってから真弓が目に見えて明るくなった、と喜んでいた誠治の落胆は大きかった。
さすがに朝夕は涼しくなったので、誠治は気乗りしない真弓をできるだけ畑へ連れ出すようにしている。夕方になり、野菜の取り入れが一段落したので真弓は農道を県道に向かって歩いて行った。
道路わきに咲くコスモスが夕陽の中でひときわ美しい。
しばらく見とれていた。

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October 30, 2014

「静夜」 第6回

 次の日曜日に、隼人は真弓用のヘルメットを持ってやって来た。
「くれぐれも気を付けてな」心配する誠治に、絶対安全に走ります、と言ってバイクに乗った彼の後ろで真弓は初めての体験にいくぶん緊張している。
最初は隼人の体にそっと手を回していたが、普段と違った厳しい声で「しっかりつかまって!」と言われ、遠慮なくしがみついた。
見た目と違ってたくましい体に一瞬ドキッとする。走り出しても怖さは感じなかった。
彼の背中にくっついて走っていると、安心感でいっぱいになる。

 誠治は、ゆっくりと走り出したバイクを心配そうに見送った。照れながらもうれしそうな真弓の顔を見て幸せな気持ちになる。
二人は1時間ほどして戻ってきた。
「どこへ行ってたんだ?」誠治が訊くと、真弓は肩掛けバッグからコンビニの袋を出した。中からアイスとかサンドイッチとか女性週刊誌とかいろいろと取り出す。
そういえば、彼女はここに来てから初めて町に出たのだった。
コンビニで買い物をしただけでもうれしかったに違いない。

 それからは、日曜日には隼人と一緒に町へ出て買い物や食事をするようになった。美奈子から『行こうか?』とメールが来てもあれこれ理由を付けて断っている。
駅前の大型ショッピングストアまで行くと、真弓はあれこれと買い物をした。最初、隼人は女性服の売り場へは入らず、表でじっと待っていたが、そのうち真弓から携帯で買い物終了のメールを入れるようになったので、その間彼も自分の買い物ができるようになった。
ただ、隼人は手話を知らないので、一緒のときはメモが手放せなかった。
彼が手話を覚えてくれたらもっと楽しいのに、と思うがそれは言えない。

 でも、平日は夜、彼が仕事から帰ってからメールと電話であれこれ話ができるので寂しくはない。真弓は、10分ほどメールのやり取りをして最後に『電話して』と送る。すると、彼から電話がかかる。最後に隼人の声を聞いてから寝るのが日課になった。
2か月もすると、真弓は声が出ない以外は以前とほとんど変わらないほど明るくなっていた。

 誠治は真弓と共に病院へ行き、最初に彼女を診察した医師に現状を報告した。
「はっきりとは言えませんが」と前置きしながらも「精神状態がかなり安定してきたようですから、時期は明言できないにしてもいつか良くなる可能性はありますね」とあくまで慎重な物言いだ。

「良くなるというのは声が出るということでしょうか?」誠治は食い下がる。
「いや、あくまで可能性はある、ということです」
「とにかく今のままの穏やかな生活を続けてください」
すっきりとはしなかったが、今までも月に2回ほど真弓を病院に連れてきて、この程度の言葉でも医者から聞き出せたことで少しは希望が出た、と自分を納得させた。

 8月に入り、13日に純一夫婦の初盆の法要を行なった。
真弓は、仏壇の前の両親の写真を見ても、もう動揺することはなかったが、さすがに誠治の隣で悲しみをこらえている姿が参列者の涙をさそった。誠治に言い含められているので、親戚や知り合いも真弓に声をかけたりはしない。

 次の日の午後、美奈子が小さな車に乗って突然やってきた。初盆だから真弓はいるだろう、とメールもよこさない。誠治に挨拶をして仏壇の前に行くと手を合わせる。
こういうところは律儀なのだが、正座が苦手なのですぐに真弓とリビングに行ってしゃべりだした。
「ひさしぶりだね。最近は忙しくてさ、毎日帰りも遅くて休みの日でも家でゴロゴロしているよ」盆休みが本当にうれしい、とぼやく。車は初めてのボーナスで買ったという。

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October 29, 2014

「静夜」 第5回

「真弓さんはどんな音楽が好きなの?」話題を変えようとして、つい隼人が真弓に話を振ってしまったが、彼女は慌てずに指を動かして誠治に見せた。
「???」ポカンとしている隼人を見て、誠治は「ゆっくりもう一度」と真弓に言い、誠治に向けた彼女の指の動きをじっと見た。
「シ、ヨ、ハ、ン・・・ショパン、かな?」誠治が言うと真弓は軽くうなずいた。
「誠治さんは手話が分かるんですか?」
「少しだけな。今のは指文字といって最初に覚えるものらしい」
「50音全部だから大変ですね」
「それ以外に動作を表す手話がたくさんあるから難しいよ」

 二人の会話を聞いていた真弓が、右手の人差し指をあごに当て、次に左手の手のひらに置いた。意味の分からなかった誠治が首をかしげると、真弓は目の前のメモ用紙に『かんたん』と書いた。隼人が「ふーん」と感心すると微笑して首を軽く振った。

 30分ほどメモ交じりで話をすると、真弓も次第に打ち解けて彼の冗談に笑顔を見せるようになった。隼人が面白い話をすると笑顔のまま両手を胸の前で2、3回交互に上下させる。楽しい、と言う意味だと誠治が通訳する。
しばらくして「わしはちょっと畑へ行くから二人で留守番していておくれ」と言って誠治は席を外した。二人で誠治を玄関から見送ると、真弓は隼人を自分の部屋に入れた。
古い農家の日本間だが、しゃれた色合いのカーペットを敷き、カーテンや飾り付けも若い女性らしい色合いで統一されている。以前真弓が住んでいた部屋の調度品を持ってきて、できるだけ同じ雰囲気になるように誠治が苦労してセッティングしたのだ。

 ピアノや小さなソファが置いてあり、壁際には小さなコンポがあるが寝る部屋は別みたいだ。真弓が1枚のCDを取り出してコンポにセットすると、ピアノ曲が鳴り始めた。
「ショパン?」隼人が訊くと軽くうなずく。でも、隼人があまりクラシックに興味が無いようだと分かると、真弓は10分ほどでCDを止めた。
『何か話して』とメモに書く。

彼は、学生時代に友人と二人で行った北海道へのツーリングの話を始めた。苫小牧までフェリーで行き、いろんな岬を巡りながら2週間でほぼ一周したという。
「宗谷岬まであと30キロ位の場所からさ、どちらが早く着くか競争したんだ」
「もう少し、というところまでは僕の方が早かったんだけどね」
真弓は興味津々といった顔で聞いている。
「あと1キロというときにエンジンが止まってね」
真弓は「エッ?」という顔をする。
「ガソリンが無くなった」
『それで?』我慢できず、真弓はメモ用紙に書いた。
「追いついた相手のバイクからガソリンを分けてもらって、後ろをついて岬まで走った」
『負け?』
「まあね、もうどうでもよかったけど」隼人は笑っている。
『何時間かかったの?』
「正味で15分くらいかな」
頭の中ですばやく計算したら時速120キロになる。
真弓は『ウソ』と書く。
隼人はニヤニヤ笑いながら黙っている。どうやら本当らしい。

 若い男たちのバカな話は、真弓が行ったことのない北海道の雄大な風景を想像させてくれた。彼女が付き合っていた男たちは、スマートでしゃれた話しかしなかったのでこういった破天荒な話は新鮮だ。
「表に出ようか」部屋を出た隼人がバイクのところに行くと、あとからついてきた真弓はバイクの後ろにひょいとまたがった。
「怖くない?」隼人が訊くと軽くうなずく。
「今度、一緒に町へ行こうか?」と言うと、かすかに笑顔を見せた。そこへ軽トラで誠治が戻ってきた。真弓がバイクに乗っているのを見て驚いた顔になる。
「車には絶対乗らないのにバイクは平気なのかな?」
真弓は相変わらず笑顔のままだ。

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October 28, 2014

「静夜」 第4回

 次の日曜日の午後、隼人がバイクでやってきた。
「いろいろ頂いてありがとうございます」玄関に出てきた誠治に頭を下げる。
「きたない家だけどまあ上がってください」誠治は彼をリビングへ連れて行き、真弓を呼んでお茶を出した。あいかわらず化粧もせず眼鏡をかけジャージ姿の真弓は、お茶を出すときに少しだけ彼の顔を見たが、すぐ自分の部屋に入って手話の練習を続けた。

 隼人はしばらくしゃべったあと、畑に行くという誠治の軽トラに乗り込み、野菜の収穫や軽トラへの積み込みを手伝った。
「取れたての野菜の匂いっていいですね」
「そうだよ、畑にいるだけで健康になれるからなぁ」
70歳を過ぎた誠治には、たくさんの野菜を軽々と軽トラに積み込んでいく若い男がまぶしい。背が高いので細く見えたが、Tシャツ1枚で作業する彼はがっしりとしたいい体格をしている。
隼人のおかげで作業が早く終わったので、誠治は彼に真弓のことを打ち明けた。
「そうですか・・・」隼人は気の毒そうな顔をしたがそれ以上言葉が出ない。
「君さえよかったら時々遊びに来てくれないだろうか」
「はい、じゃ次の日曜日もおじゃまします」

 約束通り次の日曜日の午後に隼人はやってきた。バイクの後ろにくくりつけた段ボール箱から小さな花束とケーキの箱を取り出し、母からです、と誠治に渡した。
「ありがとう、でもこれは、わしにじゃなくて真弓にだろうな」誠治は笑いながら真弓を呼んだ。自分の部屋から出てきた彼女は、花束を渡されて目を輝かせる。
彼が来ることを聞いていたからか、今日はちゃんと化粧をしてコンタクトをはめ、細めのジーンズをはいていた。
アナウンサー試験に通るだけあって、普段とは見違えるようだ。

「お茶を入れてくれないか。一緒にケーキを食べよう」
誠治の言葉に、真弓はリビングへ行き準備をする。
「普段は人が来ると逃げているんだが、ケーキの魅力に負けたようだな」誠治は、真弓が喜んでいるようなのでご機嫌だ。
「何でもいいです」と隼人が言ったので、真弓は自分の好きな紅茶を用意し、3人でテーブルについた。

誠治と真弓が並んだ前に隼人が座り、最初は誠治が彼から話を聞きだしていく。年齢から始まり、仕事、家庭状況などまるで身上調査のようだったが、隼人は真面目な顔をしながら明るくユーモアをまじえて答えていくので、いつしか真弓も彼の話に聞き入っていた。
今年で28歳になったこと。父親は平凡なサラリーマンで母親と3つ下の妹と4人家族だということ。父が鹿児島出身なので『隼人』という名前を付けたこと。大学を出て事務系の仕事が苦手なので流通関係の会社の工場で働いていること。

「狭いオフィスの中より広い現場を動き回る方が好きなんです」と快活に笑う。休みの日は、中型バイクで山道を走るのが好きなので、誠治の畑の横を通る県道をよく走り、たまたまバイクを止めて休んでいたらいつまでも動き出さない軽トラが見えたので近づいた、と話してくれた。

 彼女はいないのか、と誠治が訊くと、車を持っていないのと、デートしても女性が喜ぶような話が苦手なので、結局長続きしないと言う。学生時代はバイクレースに夢中になり、1ヶ月も相手にしなかったらその時付き合っていた彼女に、私とバイクとどっちが大事なの、と言われて別れたとのこと。
「そういうことを言われることがいやだ、と言ったらそれっきりでした」という隼人に、真弓は当然でしょ、といわんばかりの顔をした。彼女の知っている男たちとは全然違う。

今乗っているバイクは、動かなくなった古いバイクの部品をかき集めて再生したもので、そうやって動くようにしたバイクが、家にはあと2台あるという。
「バイクが恋人なのか」と誠治に言われて「そんなことないです。ずっと募集中のままなんですよ」と笑った

 隼人の話が終わったので次に誠治が自分のことを話し始めた。
両親はこの家で農業をしていたこと。3つ上の兄は勉強がよくできたので東京の大学を出て官庁に努め、そのまま東京に住んでいること。自分も大学を出て地元の小学校の先生をしていたが、定年を機に夫婦でこの家に移り住んだこと。そのころには年老いた両親はもう農家を続けられず、農協と相談して野菜畑だけを残していたこと。

やがて老父が逝ったので、兄と相談して老母を町の介護老人ホームにいれたこと。2年前に妻を病で亡くしてからは、一人でここに住んでいたことなどを淡々と語る。さすがに息子夫婦の事故の話はしなかったが、語り終えて、ただ一人の孫娘の横顔を慈しむように見た。

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October 27, 2014

「静夜」 第3回

 そんなとき、友人の一人だった美奈子が家を訪ねてきた。
彼女は学生時代に手話サークルに所属し、聾者のためのボランティア活動にも積極的だったので、事故のあと何度も励ましのメールをくれたが、当時、真弓は返事を出せるような状態ではなかった。
学生時代、ひたすら青春を楽しむことにエネルギーを費やしていた真弓には、美奈子のようにボランティア活動をすることなど想像もできなかった。

 一人娘で、両親の愛情をいっぱいに受け、何不自由なく育った彼女は、聾者に限らず、障がい者と呼ばれる人たちは、自分たちとは別の世界で生きているのだとさえ思っていた。
気の毒だ、とは感じても、それ以上自分が何らかの関わりを持とうとはしなかった。だから、美奈子がボランティアをしていることも、口では「偉いねぇ」とは言うが、心の奥では理解できなかったのだ。あるとき、聾者の話をする美奈子に、つい「かわいそうだよね」と言ったら、怒ったような顔をまっすぐに真弓に向けて言った。

「そういう見方がいけないんだよ。かわいそう、なんて言わないで」
「あのさ、生まれつきの障がい者って少ないんだよ。普通に生活していても病気や事故で障がいを持ってしまうことがあるの。私や真弓だって、いつどうなるか分からないんだよ」
「なにも、そこまで言わなくてもいいじゃない」と喧嘩になり、それ以来美奈子とは絶交状態だったのだ。

「結構元気そうじゃない」喧嘩別れしたことなど忘れたような美奈子に屈託のない笑顔で言われ、真弓も思わず笑顔になった。誠治の家は町からかなり離れた山の中腹なので、原付バイクで必死に登ってきたと言う。生活が落ち着くにつれ寂しさを覚えていた真弓には彼女の優しさが心底うれしかった。

「聞こえるんでしょ?」あいかわらず遠慮のない美奈子の言葉に素直にうなずく。家に上がり込んだ美奈子は、真弓が返事できないことなどお構いなしに一人でよくしゃべった。
「聞こえるんだからさ、あとは自分の気持ちが少しでも出せたらいいよね」
「時間はあるんでしょ。ちょっとだけ手話を覚えてみる?」

 同情などではなく、さらりとした彼女の言い方が真弓の心を動かした。
美奈子の言うとおりだ。いずれしゃべれるだろうと思っていてはダメだ。
それから、真弓と誠治は、彼女が貸してくれた初心者受けのDVDで画面を見ながら手話を練習した。美奈子もときどき家に来て手話の指導をしてくれたので、覚えの悪い誠治も使えないけれど少しは理解できるようになった。そういうときに誠治は隼人と出会ったのだった。

 彼に出会った次の日、誠治は軽トラに収穫した野菜の一部と近くの農家から分けてもらった米を積み、バッテリーを交換したバイク屋に行って彼の家を教えてもらった。バイク屋から彼の家まで行き、玄関に出てきた母親に、昨日は大変お世話になりました、と礼を言って野菜と米を渡した。

「こんなに頂いてかえって申し訳ないです」としきりに恐縮する母親に「本当にいい息子さんです」と心からの感謝を述べた。そして、帰る途中で携帯ショップに行き、真弓と同じ会社の携帯を申し込んだ。バッテリーあがりで懲りたのと、誠治の音声と真弓のメールで互いに連絡が取れることを美奈子に指摘されて携帯を持つことにしたのだ。

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October 26, 2014

「静夜」 第2回

 真弓は誠治の長男である純一の一人娘だ。
この春に大学を卒業して、ある民放のアナウンサーになるはずだった。
卒業祝いを兼ねて両親と車で一泊旅行をした帰り、狭い山道を登っていた時に対向車線の大型トラックが急カーブを曲がりきれず突っ込んできた。ノーズの短い小さな車だったのと運転席に突っ込まれたので運転していた父親は即死、後席の右側に座っていた母親は、シートベルトをしていなかったためサイドウィンドゥに頭を強く打ち付けて割れたガラスで首を切り出血多量で死んだ。
母親の隣に乗っていた真弓は激突のショックでしばらく気を失ったが、目を覚ましたとき両親の惨状を見て声が出なくなってしまった。

 駆け付けた救急車で病院へ運ばれ検査をしたが、ちゃんとシートベルトをしていたおかげで大きな怪我は無かったものの、医者の問いかけや警察の質問に返事をすることは無かった。 医者は、血まみれで死んでいる両親の姿を見たショックによる心因性の失声症だろうと診断した。
「いつ治りますか?」誠治が医者に尋ねてもはっきりとした回答は無く、とにかく事故のことに触れずに穏やかに暮らしていればそのうちに声が出るようになるでしょう、と言われただけだった。

 事故処理が一段落した後、誠治が葬儀を出したが、事故のことを思い出させないように真弓は入院させたままだった。その誠治も、事故の直後は純一夫婦を失った悲しみで好きな酒も受け付けないほど落ち込み、携帯でしゃべっていたためハンドル操作が遅れた、というトラックの運転手を死刑にしてくれと何度も警察に怒鳴り込んだ。純一は一人息子だった。

しかし、葬儀を終え気持ちの整理がついたとき、涙も見せずにただぼんやりとしている真弓を見て、これからはたった一人残されたこの孫娘を守らなければ、と彼女を引き取る決心をした。誠治は純一の家を整理して、真弓の荷物すべてと純一夫婦の最小限の荷物を誠治の家に運び、彼女が生活しやすい環境を整えた。昔の農家なので古いけれど部屋はたくさんある。純一は、いずれ父親と住むつもりで賃貸暮らしだったので整理するのは簡単だった。
真弓の状態を知った会社は、大変お気の毒ですが、と入社の取り消しを連絡してきただけだった。声が出ないのにアナウンサーとして雇うわけにはいかない。

 そのころ付き合っていた男は、事故のあと何度も電話やメールをくれ、病院にも見舞いに来たが、電話に出ず、メールの返事もなく、そばで何を言っても一切返事をしない彼女から次第に遠ざかるようになり、結局別れてしまった。
『僕には重すぎる。ごめん』が最後のメールだった。
女友達の多くも同様だった。初めて社会人になった彼女たちは、新しい世界に順応するだけで精いっぱいなのだ。

 あれほど明るくおしゃべりだった真弓が、化粧もせずジャージ姿で一日黙って暮らしている姿は誠治の心を重くしたが、顔には出さず努めて普通に接した。少しでも真弓の気持ちが明るくなるようにと、いろいろな花を買ってきて広い庭にたくさん植えたり、畑に行くときは連れて行き、できるだけ自然と触れ合う機会を増やすようにした。事故の記憶なのか、真弓は車内に入ることを嫌がるので、最初のころ誠治は軽トラの荷台に古い座布団を敷き、その上に真弓を乗せてゆっくり畑まで走った。

「見つかっても大丈夫だがな」家から畑までの農道に警官がいることもない。たとえ見られても農家の軽トラが畑へ行くのにうるさいことは言わない。そのうち真弓は、軽トラの後を自転車で付いてくるようになった。青空の下、畑で身体を使うのは精神的にもいいのだろう。一緒に住むようになって1ヶ月も経つと少しずつ真弓の表情が明るくなってきた。
真弓は、しゃべれなくても耳は正常なので誠治の言うことはすべて分かるが、真弓の意志を誠治に伝えることが問題だった。結局大きなメモ帳を持ち歩き、それに書くことにしたが、簡単なことまでいちいち書くのはやはり面倒だ。

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October 25, 2014

ブログ小説 「静夜」 第1回

 畑の横に停めた軽トラに野菜を積み終えて乗り込み、エンジンをかけようとしたがセルモーターが回らない。何回キーをひねってもダメだ。
「バッテリーもとうとう寿命か」JAFに電話すればこんな山の中でも来てくれるはずだが、あいにく携帯を持っていない。
誠治は、車を動かすことを諦めて積荷にブルーシートをかけた。
家までは3キロほどだから歩いて帰っても大したことはない。
ドアをロックして歩き出したとき、後ろからバイクが走って来て横で停まった。

「車を置いて帰られるのですか?」ヘルメットを外し、若い男が声をかけてきた。
「ああ、バッテリーがあがったみたいでな」
「ちょっと車を見てもいいですか?」
男は、断ってから軽トラの荷台の下を覗き込んだ。
「これからバイク屋で車を借りてきますからここで待っていてください。すぐに戻ってきます」
男はバイクで走り去り、しばらくすると軽トラに乗って戻ってきた。
助手席からブースターケーブルを出すと2台の軽トラのバッテリーをつなぐ。キーをひねるとすぐにエンジンがかかった。
「今はかかりましたが、一度止めるとまたかからなくなります。このまま車屋に行ってバッテリーを交換した方がいいですよ」
「そうだな。いつもの修理屋へ行くよ。本当にありがとう」
「すみません。僕もこの軽トラを返さなくちゃいけないので一緒に行っていただけませんか?バッテリーはそこでも交換できますよ」
「おお、そうか、そりゃ悪かったな」
バイクを置いたまま2台の軽トラックはバイク屋へ向かった。

バイク屋で新しいバッテリーに交換し、二人は誠治の軽トラで再び畑まで戻った。
「いや、本当にお世話になった。これはガソリン代にでも」と誠治が3000円を出す。
「やめてください。この程度はバイク仲間の常識です」男は頑として受け取らない。
「私は吉田誠治といいます。この辺で野菜を作って余生を送っている爺さんです。よかったら一度遊びに来てください。この道の3キロほど先にある古い家だからすぐに分かりますよ」
「僕、いや、私は伊藤隼人です。バイクでこの辺りをよく走っています。じゃ、失礼します」
男はバイクにまたがると一礼してヘルメットをかぶり走り去った。
「若いのによくできた男だ」誠治は彼を見送ったあと軽トラを発進させた。

 いつもより1時間も遅く家に帰ったので、孫の真弓が玄関の外に出て心配そうに待っていた。
「悪かったな。エンジンがかからなくて時間を食ってしまった。スマンスマン」
野菜を降ろすのは次の日にして、すぐに風呂に入ってから二人だけの食卓に着く。
真弓は、いつものようにビールと簡単なおつまみ類を誠治に出し、自分は先に食事を始めた。
誠治は、毎晩ビールから始まる晩酌を欠かさないからご飯を食べるのは最後だ。
「今日はいい男に会ったよ」グラスでビールを一杯飲んだ後、バッテリートラブルの件と伊藤という若い男の話を真弓に聞かせた。
真弓はいつものように黙って食べている。
「遊びにおいでと言ったが来るかな?」
真弓の顔を見ながら誠治が言っても返事はない。

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October 24, 2014

ブログ小説のお知らせ

明日から秋のブログ小説の連載を開始しますbook

9回で終わる予定なので最後まで読んでいただければ幸いですheart01


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October 21, 2014

ヨハン・シュトラウスⅡ「アンネン・ポルカ」 op.117

Img_1061ssハンス・クナッパーツブッシュの指揮、ウィーン・フィルハーモニーの演奏、1957年のステレオ録音。シューベルトの「軍隊行進曲」をテレビCMでよく聴くので確かこのコンビのLPがあったはずと探して見つけたものは「ウィーンの休日」という題で、お目当ての曲は入っていませんでした。まあ、せっかくなので聴いてみたら買ってからあまり聴かなかったようで盤面もきれいで再生中「ピチ」ともいわず、楽しめました。ブルックナーなんかを得意にしたクナですが、ウィーンフィルを相手にしたウィンナワルツは悪かろうわけもなくボスコフスキーを始め全盛期のこのオーケストラの香りが満ち溢れていてテンポの急変には驚かされるものの見事なものです。
今の再生装置のセッティングはどうやらLPでも問題ないようで、あとは聴きたいレコードをラックからガサゴソ探す手間だけの問題です(笑)
ちなみに、年に2回ほどしかターンテーブルを回さないので、聴きだして30分ほどはほんのわずかですが回転ムラを感じます。今後は聴かなくても毎日回すようにします。
 
 
戎橋近くのスタバ。この辺りにはハンバーガーショップやうどん屋などが並び修学旅行の定番コースみたいです。
 
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October 19, 2014

道頓堀異変

タイガースが予想通り(?)日本シリーズへ進出したので普段はめったに行かない道頓堀に行きました。今日も道頓堀川で泳いでいるであろう虎ファンたちを応援するためです。一番速い電車で行けば30分で難波へ着きます。駅を出てかに道楽の横を通って戎橋へ行きグリコの看板を見たら、あれれ、様子が違う。いつものランナー君が、綾瀬はるかさんに変身していました。今、ここの看板をかけ替え中なのでその間の臨時措置だとか。ちなみに7日までは綾瀬さんがオリジナルグリコ君に近いブルーの走路を走るものだったんですね。
 
これが戎橋の様子。グリコの看板をバックにゴールインのポーズで写真を写しあう人が多かった。
 
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綾瀬グリコのアップ
 
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ここはかに道楽。有名だけど入ったことはないです。
 
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川で泳いでいる人は誰もいなかったsweat01

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ちなみに、タイガースが日本シリーズに出ることはファンとしてもちろんうれしいのですが、CSというシステムには反対です。なんといっても144試合の長丁場を戦って頂点に立ったチームが一番だと思うのです。興業的に見れば最後まで試合が白熱する利点は認めますが、リーグ優勝したチーム同士が日本一のため戦うのが本筋でしょう。
私はタイガースファンですが、リーグ優勝したジャイアンツの強さには敬意を表したいと思っています。

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October 18, 2014

新米

Img_1046s奥さんの田舎から新米を頂きました。1月に亡くなった義父の跡を継いだ義弟が、今年初めて生産したその名の通り新米です。勤めの傍らほとんど一人で農作業をしたという努力には頭が下がります。赤字でも田を残すという一念から作り上げたお米はそれこそ大事に食べなければと思った次第です。
しかし、30キロもの重量には宅配のお兄さんも私たちもちょっと苦労しました。腰痛持ちのオヤジとか弱い(?)女では持てないので下にマットを引いて廊下を引きずり、部屋に入れました。
もうひとつ、玄米の状態なので精米しなければならず農協とお付き合いの無い我が家では車で15分くらいの場所にあるコイン精米機まで行く必要がありますがこれも面白そう。
 


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October 15, 2014

ドビュッシー 子供の領分から「小さな羊飼い」

Debussy_boxジェームズ・ゴールウェイのフルート、ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏、1984年の録音。ゴールウェイは1969年から1975年までベルリンフィルの首席を務めた、ということはカラヤンとこのオケの全盛期だったということですね。改めてこの時期のベルリンフィルの録音を聴いてみる気になりましたheart02
このCDにはドビュッシーの他の曲も収められていますが、この曲のアレンジがフルートにとてもよくマッチしていて、ゴールウェイの澄み切った音色に宇宙の果てまで連れて行かれそうです。ちなみに彼の楽器は日本人の製作したものでヴァイオリンよりは安いもののスタンダード品でも高級車が買えそうなお値段がしますimpact


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October 13, 2014

ハイドン 協奏交響曲変ロ長調 Hob.Ⅰ:105

Hydon_lbバーンスタイン、ウィーン・フィルハーモニーの演奏、1984年10月の録音。ライナー・キュッヒルのヴァイオリンをはじめチェロ、オーボエ、ファゴットなどの独奏者は当然ウィーンフィルのメンバーです。さて、こういう音楽ではいかにバーンスタインといえども指揮棒を振るのだろうかと疑問に思うのです。私だったら開始だけ棒を振り下ろし、指揮台から降りて控室でコーヒーでも飲みながら新聞のスポーツ欄に目を通し、タイガースのCS突破の記事を読み、ジャイアンツとの初戦は誰が投げるだろうかなんて予想し、トイレに行って20分ほど経ったのを確認してからそっとステージに戻り、最後だけちょこっと棒を降ろします。でもウィーンフィルの楽員たちは誰にも邪魔されずに演奏・録音できたことに感謝して私に最大級の拍手を贈ってくれることでしょう。
以前、京都でこの楽団の公開練習の場に居合わせましたが、シューベルトの9番(7番)の4楽章の途中で指揮のレヴァインが指揮台を降りて客席の響き具合を見に行った時も一瞬は乱れてもあとはさっきより見事なアンサンブルで演奏しきったのを見ました。ちなみに京都コンサートオールは残響が少し多い目で柔らかい音がするとてもいいホールです。
 

 
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October 10, 2014

グリーンスリーヴス

Photo田中良和氏の指揮、東京交響楽団による伴奏、独唱は鮫島由美子さん、1986年の録音。有名なイングランド民謡で、ヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーヴスによる幻想曲」が有名ですが、ここでは海野洋司氏の詩とオーケストラ伴奏で鮫島さんが歌っています。このCDにはイングランド、スコットランド、アイルランドの民謡が14曲収められていてどれも見事な出来栄えです。「マッサン」でも使われていた「故郷の空」にしようと思ったのですが、あまりに見事な歌唱なのでこの曲をチョイスしました。鮫島さんは、日本の歌や西欧のポピュラーな歌を積極的にレコーディングして国民的ともいえる人気を得て、1990年には紅白にも出演していますが、本来はウィーンやドイツでのオペラ歌手が本業です。歌曲として録音するときはご主人のドイチュさんが伴奏するのですが、今回は南安雄氏の優しい編曲のためか鮫島さんもオーケストラやコーラスをバックに自由な雰囲気で歌っているのでクラシック調の固い歌が嫌いな人にも好まれるでしょうね。
鮫島さん絶好調といっていい録音ですnote


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October 09, 2014

モーツァルト 弦楽五重奏曲第5番 ニ長調 KV.515

Mozart_masterオルランド弦楽四重奏団に今井信子氏が加わった編成で、1989年の録音。モーツァルトが世を去る1年前の作曲で、かなり生活に困っていた時代だけどそういう暗さが見えないのがさすがにこの作曲家のすばらしいところ。
作曲技法も精緻なものですが透明感にあふれた2楽章が絶品。軽快でスピーディな終楽章もお見事。ヴィオラが増えたことによる安定感が五重奏曲の持ち味ですが、特にこの曲ではそれを強く感じます。最近何度も聴いております。
 
 
オシャンブルーはこの季節でも夏より元気いっぱいに咲いています。
庭の外にもたくさん花が咲いているはず。
  
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October 07, 2014

マスビジネス

セ・リーグの順位が決まってタイガースはありがたく2位になりました。
昨日は今年初めてジャイアンツを応援しましたよcoldsweats01
2位になればCSを甲子園で行うのですがこの意味が大きい。
甲子園のチケット代は大体2000円から5000円ですが、まあ平均2500円として4万人入ったとすると1日の入場収入は1億円です。これに恒例の風船代、ビールの売り上げ、そしてほとんどの人が乗ってくる阪神電車の乗車券代などの収入はすべて阪神サイドに入るのです。

野球だけでなくAKBとか嵐のコンサートをアリーナとか球場でするのはとにかく入場者を増やしたいためです。
1万円のチケットで4万人入れば1回の公演で4億円です。
望遠鏡が必要な遠い席でも関係なし。
マスビジネスってすごいですね。

 

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October 05, 2014

ロッシーニ 『アルジェのイタリア女』 序曲

Verdiカラヤンの指揮、ベルリン・フィルハーモニーの演奏、1971年の録音。カラヤンとベルリンフィルによるロッシーニは幾分軽快感に欠けるのだけれど堂々とした構えの大きさでこの8分強の音楽を十分楽しませてくれます。オーボエが大活躍する曲ですがベルリンフィルの見事なオーボエはまさに聴き応えがありますnote
録音場所は50年代から使っている馴染みのベルリンのイエス・キリスト教会なので響きが柔らかくて聴きやすいです。上空が旅客機の飛行コースなので時々録音をストップしたという逸話がおもしろい。
ジャケットの絵はカラヤンの奥さんのエリエッテさんの作品。
夫婦でがんばりますねぇheart02

 

朝ドラ『マッサン』は面白いのですが例のI・Pの姑は何とかならないかなthink
どう見ても老舗の造り酒屋の姑には見えないし演技も昔の村芝居みたい。
吉行和子さんとは言わないけれどもっと品のあるお姑役ができる女優さんはいっぱいいると思うのですが・・・
ずっとこの俳優さんを見ていたいと思うキャスティングにしてほしかったなぁ。主役の二人は画面を見ているだけでひき込まれるほど魅力的なので特にそう思います。


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October 02, 2014

ハイドン 「オールド・ラング・サイン」(蛍の光)

Haydnジェミー・マクドガルのテノールとアイゼンシュタット・ハイドン・トリオの演奏、2006年の録音。スコットランド民謡 Auld Lang Syne をハイドンが歌曲に編曲したもの。Auld Lang Syne はスコットランド語で英語では old long since (過ぎ去った日)となります。なんて前置きが長くなりましたが、邦題はかの有名な「蛍の光」。
今週から始まったNHKの朝ドラ「マッサン」でスコットランドからはるばるやってきたエリーも歌っていますが、歌詞の内容はお別れではなく、久しぶりに再会した旧友とお酒を飲みながら昔話をする、といったものだそうです。ハイドンの編曲もリズミカルな長調なので楽しく、暗さなんて微塵もありません。

さてその「マッサン」ですが、エリー役の女優さんの演技が素直だし背の高い玉山鉄二のカッコ良さも相まってなかなか楽しめます。あの時代、普通の姑でも恐ろしいのによりもよってあのI・Pという最強の女優とは前途多難ですねcrying
早く広島から出て、I・Pが画面に出てこないことを祈っておりますconfident

 
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