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September 09, 2014

黒川 博行著 「煙霞」

株式会社文藝春秋 2011年7月10日発行

今年『破門』で第151回の直木賞を受賞した黒川氏の作品。
私学助成金の不正授受をネタに理事長を誘拐する計画に加担した私立高校の美術講師と女性音楽教諭のお話。
二人の目的は不安定な現在の雇用条件を改善して正教員にしてもらうことだったが、誘拐後に事件は思わぬ方向に膨らんでいく。
愛媛県出身で美術教師の経験がある筆者らしくのんびりした瀬戸内海の小島での写生風景から始まるが、美術の先生と生徒たちの交流の様子がとても自然でいい。
理事長とその愛人を誘拐してからは当初予期しなかった人間や大金が絡み、大阪市内はおろか遠く伊勢志摩での外車のカーチェイスまで出てきて最初ののんびりムードが吹っ飛ぶ。
ロックが大好きでジーンズをはいて中古のアメ車で登校する変わった若い女性音楽教師の男顔負けの活躍が楽しい。
ほとんどが大阪市内でそれも細かい地名まで入り、会話もすべて大阪弁なので私など何の違和感もなく入り込めたが、関東の人はどうかな。あまり乱暴なシーンもなくお楽しみサスペンスといった調子なのでとても気楽に読めた。
ちょっと話がうますぎるきらいはあるけれど話の展開がスピーディで楽しいのでテレビドラマにしたらおもしろいと思ったらこの作者の作品が結構ドラマ化されていた。


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