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December 18, 2013

クリスマスの贈り物 10

 やっと我に返って家に電話をした。
「ああ、お母さん、おなか空いた。何かある?」
「あんた、食事したんとちゃうの?」
「いろいろあって、食べてない」
「エッ、何かあったんか、大丈夫?」
「大丈夫です。もうすぐ帰るからとにかくご飯よろしく」
 不機嫌な顔で出て行った娘が、腹ペコなのにいやに機嫌がいいのに首をかしげながら、夕食の残りを確認する。

 次の日、駅で木戸と会ってから食事をした。
 といっても、クリスマスだからどこも一杯で、結局ファミレスに入る。
「すみません。午前中は病院でオヤジの退院手続きをしたりで、予約するヒマが無かったんです」と、申し訳無さそうに言う。
「いえ、私ファミレスへ来たの久しぶりですから、懐かしいです」
 彩は、木戸と居られるだけで充分幸せだ。

 食べ終わってからはカップルばかりの繁華街を歩いた。
 疲れるとカフェに入り、また歩き、と夕方まで歩いて、しゃべって、食べたりしながら楽しく過ごした。

 彼の名は、孝(たかし)。36歳だというが結構若く見える。
 やはり小さな工場系の会社だということで彩とよく話が合う。
 服装は結構無頓着だけど気取りが無いし、話も面白く、とにかく快活で明るい。一緒にいると楽しくて安心感がある。
「この人、ストライクや」彩は確信した。

 駅までの帰り道で「仕事が終わった日に飲みませんか」と誘われた。
 どちらも28日だということを確認しあい、初めて携帯番号の交換をした。
 28日は、夜の9時頃まで飲んでから家の近くまで送ってもらった。
 帰る途中、初詣に行こうと誘われたが、その後で両親がどうしてもお礼をしたいから家に来て欲しい、と言う。
 3日に約束をした。

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