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November 04, 2013

中田永一 「くちびるに歌を」

Kuchibiru2011年11月 小学館発行
長崎県五島列島にある島の中学校の合唱部が、Nコン(NHK学校音楽コンクール)に参加するまでを何人かの合唱部のメンバーの目を通して描いた物語。
新学期になり、産休に入る音楽の先生の友人が交代教員として東京からやってくる。美人の先生が合唱部の顧問になることを知った男子生徒が入部したため、これまで女声だけで歌っていた女子部員との間に摩擦が起きる。
父親が愛人を作って島を出たため男性不信になっているナズナ。
自閉症の兄の面倒を見る、優しいけれど存在感の薄いサトル。
その他いろいろな事情を抱えた多感な生徒たちがさまざまな問題を起こしながらもNコンに向けて力を結集し、やがて本番を迎える。
話の主体が変わっていくけれど、主語がほとんど無いため最初は誰の語りか分からなかったのが、話が進むにつれナズナとサトルの語りがメインになっていることに気付く。特に、身体も小さくて普段はおとなしいサトルが、好意を持ってくれた可愛い女生徒の危機に先輩と大乱闘をするシーンが印象的。ナズナが避けていた不真面目な男子も、彼女の家庭事情を馬鹿にした後輩と大喧嘩をする。
普段はおバカな男子が女子のためには本気で戦う姿に女生徒たちは心を開いていく。
図書館から借りて少し読んでから中学生の合唱部の話だと分かり、返そうかと思ったけれど自然な語り口につられて結構楽しく読みきった。「心に太陽を持て 唇に歌を持て」は山本有三の詩だが、この本では合唱によって若者の心が通いあう様を平易な文章で巧みに表しているのがいい。2012年の本屋大賞。
小説の中のNコンは、第75回(平成20年度)、課題曲はアンジェラ・アキ作詞・作曲の「手紙」。
金賞を獲得した郡山第二中学校の素晴らしい演奏をyoutubeで。


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