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September 04, 2013

熊谷達也 「調律師」

Choritsu文藝春秋社 2013年5月25日発行
事故がもとでピアニストの道をあきらめ調律師となった男。彼はピアノの音色によって匂いを感じる特殊な能力があり、それが調律を行う基準にもなっていた。実の父親に会いたいと願う少女の演奏、コンクールに落ちてジャズバーを開いた男、プロを目指しながらホテルのロビーコンサートで弾くことに不満げな若者などさまざまな思いで弾かれるピアノから感じる匂いもそれぞれ異なるのだ。
大地震のときに頭を打ったためか、事故のときに亡くした妻の面影が去っていったためか、いつの日か匂いを感じることはなくなり、東日本大震災の後、妻の妹と共に現地へ出張して調律と小さなコンサートを行うボランティアに喜びを見出す彼であった。
ピアノや調律のことが良く分かるし、何よりもベーゼンドルファーがヤマハの傘下になっていたことを知って驚いた。
端正で清潔な文章には好感が持てるし、連続した7つの短編で構成されていてとても読みやすい。

 
 
 

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