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July 07, 2013

J.D.サリンジャー 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」

Catcher白水社。1964年に同じ白水社から野崎隆の訳で「ライ麦畑で捕まえて」という題で出ていたのを村上春樹が新たに訳したもの。
「ライ麦畑で捕まえて」は、「誰かとライ麦畑で出会ったら」の"meet"を、主人公が"catch"と聞き違えたことに起因していて、誰かがライ麦畑を通って崖から落ちそうにならないように捕まてあげられるような人間になるんだと小さな妹に説明するシーンにつながります。
クリスマス休暇の前に3校目の高校も退学させられた主人公が、ニューヨークを彷徨いながら実家にたどり着くまでのお話。悪態をつき、粋がっている割にはやることなすことほとんどが裏目に出て、最後はボロ状態で実家にたどり着くのがちょっとかわいそうかな。
10代にありがちな、繊細で感受性が強くしかし他人には決して心の弱さを悟られないように強がる主人公も、真面目なシスターたちには好感を持って喜捨したりする本当は心根の優しい男で、特に弟が小さいときに難病で亡くなったときは自分が大怪我するほどに荒れてしまいます。小学生の妹が好きだというレコードを探し出して買って帰る途中に落として割ってしまい(当時はSPレコードです)その破片を見せると、妹がその破片を大事にしまうところが兄妹の仲の良さを表していて好きなシーンです。
危なっかしいかぎりのコールフィールド君も今は落ちこぼれだけど、大人になればきっと一人前の社会人になり、すてきな家庭を築き、良きお父さんになるだろうと応援するような思いで読み終えました。

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