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June 18, 2013

レイモンド・チャンドラー 『 ロング・グッドバイ 』

Goodbye早川書房。村上春樹の訳。チャンドラーは村上さんが大きな影響を受けた作家の一人なので、がんばって600ページというかなりの大作に挑戦。1953年の出版なので、アメリカもまだまだよき時代だったと思わせるシーンがたくさん出てきて当時の映画を見ているよう。主人公の私立探偵マーロウがそういった時代の中でもさらにクラシックでロマンティックな心根を持ち合わせていることが、ただのハードボイルド小説とは一線を画しているのが大きな魅力。男性作家の、男性が主人公の物語ではお決まりの美女も3人、そしてへたれな旦那衆、荒っぽいオニイサンたちと彼らに負けないくらい野蛮な警察関係者もいっぱい登場。マーロウはその中で誘惑に耐えたり負けそうになったり、友情を感じたり殴られたり危ない目にあったりしながらもコツコツと少しずつ努力を重ね、最後に驚くべき真相を解明するところは9回裏の逆転満塁ホームラン級の興奮baseball
細かい部分で疑問も感じるけれど、グイグイと引っ張る大胆なプロットと、強さと優しさを兼ね備え金に執着しないマーロウの魅力には男でも惚れ惚れheart02
村上さんの翻訳は、らしいかな、と思えるニュアンスを感じるけれど原文を知らないのでここは逃げますdash
クラシック音楽としてハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲が登場するけれど、マーロウにとってはただの騒音に等しいとかpunch
少しだけ分かるけどねsweat01

訳者のあとがきがまた素晴らしく価値のあるもので、チャンドラーと村上さんの両方を知ることが出来る貴重なものです。

 

   

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Comments

narkejpさん

村上さんのあとがきを詠み終わった後では私の感想も実に通り一遍のものでしかなく、この小説に書かれている内容は、はるかに比重の大きいものだと分かります。
表面だけのハードボイルドと違ってマーロウの本当の優しさと強さは永遠に読者をひきつけるものでしょうね。
50年前の清水俊二氏の訳はかなりカットがあるそうで、そういう意味でも村上さんの訳は価値があるといえるでしょう。

Posted by: よし | June 19, 2013 at 08:25 PM

別の訳者では『長いお別れ』となっている、あの作品ですね。面白かったです。たしか、私が読んだきっかけは、藤沢周平が好んで読んでいたということからでした(^o^;)>poripori
実際に読んで見て、納得しました。村上春樹訳のものも、また読んでみたいものです。

Posted by: narkejp | June 19, 2013 at 04:54 AM

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