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February 05, 2013

DVD 「鉄の女の涙」

去年、映画を見損なったのでDVDを借りて見ました。
イギリス初の女性首相であり、冷戦時代を経験し、フォークランド紛争では迅速な判断で多くの犠牲を出しながらも国を勝利に導いた、まさに鋼(はがね)の女の生涯です。厳密な階級制度ではないにしろ家系や職業で人を判断する保守的な国で、食料品店の娘から議員となり男性優位の議会でも決して臆せず、やがて保守党党首そして首相へと歩んだ人生を上手にまとめていてとても見ごたえのある映画です movie

認知症気味の晩年(現在)の姿を通して過去を振り返っていくストーリーなので、その対比があまりにも大きいことに戸惑いますが、男でも耐え切れないほどの苛烈な時代を女性の首相として弱体化しつつあった英国を牽引してきたことは、政策の良し悪しは別として高い評価を受けて当然でしょう。
フォークランド紛争が勃発した際、戦う姿勢の彼女に対し軍の人間が「私は戦争をよく知っていますが」と言った時に返した「私も長い間(男性社会の偏見と)戦ってきました」という一言が彼女の人生そのものを表しています。

念願の当選を果たし、議員として始めて登院するとき、追ってくる子供たちを振り切るように運転して走り去る姿が特に印象的。しかし、認知症になってからも常に今は亡き夫の姿を追う姿は、普通の主婦ではいられなかった彼女がどれだけ夫の支えに救われていたかを良く表しています。
単なる伝記ものではないし、女性の孤軍奮闘を描いただけの根性物でもなく訴えかける内容の多い優れたドラマといえますが、日本映画の題名につきものの「涙」は余計 punch。涙など一滴も流しませんよ。
 

 
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