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October 24, 2012

O・ヘンリ 「賢者の贈り物」

O_henry新潮文庫から大久保康雄訳で出ているもの。去年も記事にしたのですが、他の短編を読んでいてつい再読し、改めて心に深く染み入るものを感じたので再登場です。
明日はクリスマスなのに1ドル87セントしか持っていない妻のデラが、膝の下まで届く自慢の髪を売って夫のジムが自慢にしている金時計の鎖を買うと、ジムはその時計を売ってデラの髪を飾るはずだった高価な櫛のセットを買っていたというお話。作者は、二人の大切な宝物を最も賢くない方法でお互いに犠牲にしたけれど、これこそ賢者の贈り物であったのだと締めくくっています。10ページの短編ですが、細部の描写特にデラが髪を切った後、どうかジムに嫌われませんように、と神に祈るシーンなど何度読んでも涙がこぼれます。
世の中には「愛」という言葉が溢れかえっていますが、本当の愛って何だろうと思うのです。男女間の好き、というのは「恋」ではあっても愛とは言えないと思うのです。先の話は、自分の一番大切なものを犠牲にしても相手を喜ばせたいという気持ちが、すなわち愛だと教えているのです。お互いの贈り物は役には立たなかったけれど、そこにはそれこそ溢れるばかりの「愛」があるのです。
私たち夫婦は、結婚後も贈り物をした覚えがありませんが、最近思うのは、もはやお互いの存在そのものが贈り物ではないか、ということです。互いに決して無理をせず、健康な状態を維持し、明るく楽しく生活できれば毎日最高の贈り物をしていることになるのでは、と。そして、この歳になると、もはやどんな「犠牲」も払いたくはありませんね。
              
             
         
  
 


 


      
    
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