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July 22, 2011

テレビドラマ「火の魚」

室生犀星の同名の短編が原作。原田芳雄氏の追悼番組としてNHK-BSで放送されていたものを見ることが出来ました。朝の10時からだと勘違いして録画をあきらめていたのに夜の10時にテレビを入れたらちょうど始まったばかりでした。広島NHKで2009年に作成されたもので、その年の内外の各種の賞を受賞したものですが、昨年再放送されたものを見て感動したものを再度見ることが出来て本当に幸運でした。
大病したのをきっかけに瀬戸内の島に引きこもった頑迷な老作家と原稿を取りに東京からやってくる女性編集者との交流を描いたものですが、あれこれ難題を吹っかけては編集者を困らせようとする老作家が、礼儀正しく筋を通す彼女に徐々に惹かれていく変化が面白い。圧巻は飼っていた金魚を彼女に魚拓にさせるシーン。「分かりました」と冷静に金魚を取り上げた彼女もいざナイフを入れるところでさすがに涙をこぼします。そのあと彼女が癌を再発したと聞いて後悔の思いで別人のようにオロオロと落ち込む老作家。しかし病院に見舞いに行き、しっかりと自分の人生を見つめている彼女の強さに自分も生きることの意味を再発見します。
1時間の枠でこれだけのドラマを作った広島NHKに大拍手。劇中の影絵劇「幸福の王子」も短いシーンだけど印象深いものです。そして老作家の部屋の中にタンノイの小型スピーカーやボーズのCDラジオがあったのも面白い。
こういう役での原田氏はさすがの貫禄ですが、編集者役の尾野真千子さんの透明感のある誇張の無い演技が文句無くすばらしい。彼女はこのドラマで主演女優賞を頂いたそうですが当然でしょう。美人とは思いませんが時折ハッとする表情を見せるのが魅力的です。
9月からのNHKの朝の連ドラで主人公役をするのが楽しみ。

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