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March 27, 2011

シリン・ネザマフィ著 白い紙/サラム

「白い紙」で芥川賞候補になったイラン人女性の書いた本を読んでみました。神戸の大学の工学部に入り大学院を出て現在はシステムエンジニアとしてドバイで働いている異色の作家です。新聞のコラムに3つの好きな日本食について書いていたのを読んで、なかなかユーモアのセンスがあるのとまあかなりの美人だということそして神戸で生活したというところに興味がありました。特に2番目の理由が大きいかな(笑)。
まず本命の「白い紙」ですがイラン・イラク戦争の話なのですが筆者の体験かどうかは分かりません。共学の高校なのに男女が話をしたら退学になるとか顔を覆うチャドルなしでは外出できないとかの描写は興味を引くけれどお話自体は戦争状態の中での淡い恋物語で特に面白いとは思わなかったです。文章自体は知らなければ日本人でないことが分からないほど巧みだし細かい描写も上手ですがストーリーの展開がもうひとつインパクトに欠けているので芥川賞候補になったこと自体私には疑問が残ります。
同じ本に納められている「サラム」は2006年に留学生大賞を取った小説で、アフガニスタン難民の女性のお話ですが、ほぼ実話に近いものだと思われ、内容の厳しさもあいまってなかなか読み応えがありました。留学生とはいえ楽しく学生生活を謳歌していた女子大生が、入国管理局に収容されたアフガニスタン難民の女性の通訳のバイトをしていくうちにアフガニスタンの厳しい情勢を知り、難民認定の壁とにぶつかり悩む、というストーリーで率直かつ丁寧な文章は来日7年目としては立派なものです。
ちなみにアフガン語はペルシャ語の方言くらいの違いだそうです。
さて、筆者が留学先に神戸を選んだのは正解だと思います。友人の話が参考になったそうですが、神戸は横浜などと同じく昔から外国人が多いので特殊な扱いを受けずに生活に溶け込めたと思います。「白い紙」で肉屋の親父が「奥さん、なんぼ?」と大阪弁で訊くセリフなどは明らかに影響を受けていますね。
同級生にもタイからの留学生がいましたが、悪い大阪弁を教えたものです(笑)。


パリの街で   欧州車はやっぱりカッコいいnote
   
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