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June 17, 2006

ジョン・カルショーの本を読み終わって

やっとカルショーの本を読み終わった。
おなじみのさまざまの指揮者や音楽家の裏話は興味深いのだがそれだけではなく、音楽界で起きることは普通の企業社会とも通じるものだなという思いが大きく、その意味でこの本はすばらしいと思う。前回にも述べたようにカルショー自身がクラシック音楽を最高の条件でレコード化することに情熱を注いでいたことと、その思いとは無関係な商業主義の間で悩むことが多かったこと、そして一流の音楽家のすごさなどに大きな感銘を受ける。外面的な装いにも気を配るカラヤンを皮肉りながらもその音楽に対する真摯な姿勢と統率力を大いに賞賛していることはなるほどと思わせる。また逆にホルストの「惑星」の第1曲「火星」の5拍子がちゃんと振れなかったというのも驚きだ。リズムがつんのめりそうだ、というけれど私はすり込みの演奏だから却って緊迫感を感じたのだが。その他オペラの伴奏でなんでもない弦の進行にもきっちりと意味づけをするので音楽の深みが更に増すというお話など。またセルのようにオケや共演者と仲良く出来ない指揮者でも出来上がった音楽はすばらしいという話は本当によく分かる。カーゾンとのブラームスの1番だ。知らない人が見たら憎みあっているとしか見えないけれど出来上がった音楽は壮大だった、ということは実際にこのCDを聴いているので心底そう思う。今後CDを聴く姿勢も少しは変わりそうな気がしている。単純に批評家を信じずに自分の感覚を信じよう。

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Comments

romaniさん
本当にご無沙汰しています。
毎日拝見していますよ。
ウィーン紀行がうらやましかったです・・・

この本は図書館で借りたのですがそばに置いておきたい本ですね。カラヤン、ショルティ、アンセルメ、セル、クーベリック、ケルテスなどの指揮者の逸話とか「ツァラ」や「オテロ」冒頭のオルガンの録音と前者でのピッチ合わせのお話などそれこそ「ヘェー」の連続です。ぜひご覧ください。

Posted by: よし | June 25, 2006 at 09:31 AM

こんばんは。
お久しぶりです。
この本、やっぱり面白そうですね。(実はいつも気にかかっていたのですか・・・)
よしさんの紹介文を読んで、なるほどと思うことばかり。
とくにセルとカーゾンのコンチェルトは、仲良しクラブ的な発想では絶対生まれてこない演奏ですものね。
私も早速手に入れて読んでみたいと思います。

Posted by: romani | June 24, 2006 at 10:55 PM

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